花見で一杯

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「メイ――」 遠く廊下から微かに響いてくる声にメイは振り向く。 背中まで伸びた髪は見事なまでにサラサラで思わず触りたくなるくらい。 髪と同じ色のマロンブラウンの瞳はパッチリと、けれど鼻は低く「おはよう」と元気な声を発する口も小さい。 「また同じクラスみたいねぇ」 「ねー! よろしくね!」 抱き合って喜ぶのは中学からの親友、雪村杏奈(ユキムラアンナ)。 肩まで伸びた髪はクルリと内側にカールされピンクの頬に少し厚い唇。 目は半分しか開くことがないんじゃないかってくらいいつもニコニコしていて、ほんわかおっとり、彼女こそ女の子の中の女の子。
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