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そんなメイに杏奈は「そうそう」と言いながら微笑んで。
「あのね、藤井君も同じクラスよ?」
「へっ?」
「ほら、あそこ」
杏奈の指差すほうを見れば居眠りしてる彼の姿が。
「彼氏なんて彼がいるからいいじゃない」
「アキはっ」
思わず大きくなる声にギロリと先生に睨まれてメイは口元を押さえる。
それから小さな声で、
「違うし」
そう言ったけれど杏奈は「そう?」と言って微笑むだけ。
拗ねるようにふいっと顔を背ければその視線の先には彼の姿。
色素の薄いサラサラな少し長めの髪が俯いた顔を隠してた。
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