#06

10/12
前へ
/26ページ
次へ
佐々木がコーラをひとくち飲み口を開く。 「おととい…だっけな。死んだって言われてたじいちゃんが家に帰って来たんだ。」 「そのじいちゃんって行方不明になった人…だよな?」 「そう。散歩に出かけたかなんかで帰って来なくなったんだけどな。んで、まあびっくりした訳だけど。じいちゃんなんか言おうとしてるんだよな。」 「なんか…?」 「この街から俺は出た。とか、俺は見た。とか、言いに行かなくちゃ。とか、明らかオカシイだろ?まわりの大人は皆、ボケたんだろうとか言ってたんだけど」 「それは違うだろっ」 「ああ、俺もじいちゃんはボケてなんかないと思う。街の外になんかの拍子に出ちゃって、なにかを見たんだと思う。んで、まあすぐ政府の人達が来て…かなり無理矢理連れてかれたんだ。その時じいちゃん俺の腕掴んで言ったんだ。#07にゴミはない。ゴミは俺達だ。って…あの目は本当にボケてなんかなかったから、今でも覚えてる。」 「俺思ったけど、政府はじいちゃんが見た何かを隠そうとしてるよな。」 俺はそう言った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加