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佐々木がコーラをひとくち飲み口を開く。
「おととい…だっけな。死んだって言われてたじいちゃんが家に帰って来たんだ。」
「そのじいちゃんって行方不明になった人…だよな?」
「そう。散歩に出かけたかなんかで帰って来なくなったんだけどな。んで、まあびっくりした訳だけど。じいちゃんなんか言おうとしてるんだよな。」
「なんか…?」
「この街から俺は出た。とか、俺は見た。とか、言いに行かなくちゃ。とか、明らかオカシイだろ?まわりの大人は皆、ボケたんだろうとか言ってたんだけど」
「それは違うだろっ」
「ああ、俺もじいちゃんはボケてなんかないと思う。街の外になんかの拍子に出ちゃって、なにかを見たんだと思う。んで、まあすぐ政府の人達が来て…かなり無理矢理連れてかれたんだ。その時じいちゃん俺の腕掴んで言ったんだ。#07にゴミはない。ゴミは俺達だ。って…あの目は本当にボケてなんかなかったから、今でも覚えてる。」
「俺思ったけど、政府はじいちゃんが見た何かを隠そうとしてるよな。」
俺はそう言った。
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