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「さて、どれどれ? 出血も無いようだし、ちょっとコブができちゃったってところかしら? 誰か冷やすものお願いできる? ……あと巴ちゃんは茜ちゃんを仮眠室に寝かせておいて」
「あいよー」
「じゃあ、みくが持ってくるにゃー」
……にゃー?
幻聴……かな?
「ごめんなさいね? 初日からこんな目にあわせてしまって。あなた緒方智絵里ちゃんよね?」
さっき聞こえた幻聴が気になっていると介抱してくれたちひろさんが話しかけてきた。
「あ……はい。緒方智絵里です。……その、さっきの事はあそこに立ってた私が……悪い……ですから。それに……」
「それに?」
「私……小さい頃から運がなくて……こういう事……しょっちゅうで」
「……そういう人っているわよね」
覚えがあるのかな?
なんだか納得された。
「とりあえず中へどうぞ。冷やしながらお話しましょう」
「あ、はい」
そうして招かれるまま事務所の中に入った。
……まさかこんなハチャメチャなスタートになっちゃうなんて思ってもみなかったです。
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