デビュー!

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「あ、ごめんね。輝子ちゃん。いたの気付かなかった」 ちひろさんはあははーと笑って誤魔化して言った。 えっと……ちひろさんも気付かなかったんだ。 そりゃそうだよね。誰かいるところに座らせないよね、普通は。 「フフフ……。私、存在感……ないですから……。しかたないですよ……。気にしないでください……。あ、脅かしちゃい……ましたね……。ごめんなさい……」 「私も大声だしちゃって……ごめんなさい……」 「いえいえ……大声だして……当然ですから……じゃあ避けますね……」 そう言って輝子ちゃんはソファーからゆっくり立ち上がった。 「ごめんなさい。先に座っていたのに」 なんか申し訳なくて謝ると、輝子ちゃんは、 「そんなに……謝らないでください……。あなたが今日来るのを……知っていたのに……ここに陣取ってた……私が悪いんですから……」 そう言ってニコッと笑った。 「フフ……。では……また後程……」 そのまま輝子ちゃんは行ってしまった。 「キノコーキノコノコーボッチノコーホシショウコー♪」 謎のうたを歌いながら……。 えーっと……何だったんだろう?
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