デビュー!

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「ただの事務員の私が言うのもおかしいかもだけどね。智絵里ちゃん、トップアイドル目指して一緒に頑張りましょう! プロデューサーさんのお墨付きの貴女にはその素質がありますよ」 「あ、ありがとうございます。私……頑張ります」 そう言われれば、確かに嬉しい。だけどそれを鵜呑みには出来なくて、両手をあげて喜べませんでした。 そんな時でした。 バタバタバタッと勢いよく何かが近づいてきた音がしたかと思ったら、ガジャ――バンッ! 扉を思いっきり開け、見たことがあるスーツの男性が入ってきました。 ちひろさんは「噂をすればなんとやらですね」と冷静に笑っていました。 「ただいま戻りました! 緒方智絵里は来ましたか!?」 やや興奮状態のようで、名乗り出るのを躊躇していると、 「す・こ・し・は・落ち着けっ!このバカプロデューサーがっ!」 「ぐはぁ!?」 入り口からまた誰かが入ってきて、勢いそのままプロデューサーさんに思いっきり跳び蹴りをくらわせました。 ――ええ!?
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