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「全く、このバカプロデューサー。あたしが仕事してる最中もそわそわして気が気じゃない状態で。終わったら終わったで事務所まで全力ダッシュとかありえねぇだろ。ついてくあたしの身にもなれっていうんだ!」
「奈緒、俺……今、ノーガード。不意討ち……良くない。死んじゃうぜ」
「一回死んでこい」
「お疲れさまー、奈緒ちゃん」
こんな時でも冷静なちひろさんでした。
私はもう呆気にとられて何が何だか……。
「ん? その娘が新人?」
「え? あ、はい。えっと……緒方智絵里です。よろしく……お願いします」
いきなり声をかけられちょっとびっくりしてしまいました。
あんな光景の直後でしたし……。
「……ふぅん。まぁ頑張って」
「は、はい……」
「おぉ! 緒方智絵里! 来てたのか! 久しぶり! 元気だったか?」
私の声に気付き、床に沈んでいたプロデューサーさんが復活した。
「ふんっ!」
「がはっ!?」
――と、思ったら奈緒さんに思いっきり踏みつけられ再び床に沈んだ。
……なんか今日、すごい濃い日だなぁ。
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