1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?」
辺りは真っ暗で人の気配がない……。
ここは仮眠室?
たしか時計がそこに――
時間を見て愕然とする。
時計の表記はPM11:38……。
血の気が引いたのを感じた。
仮眠室から出ると事務所には辛うじて電気がついていた。
「ふ、不幸中の幸い!」
「うぁあ!? 日野!? お前何してんだ!? つか、いたの!?」
中にはプロデューサーがいた。
「プロデューサーぁ! 誰も起こしてくれなかったんですよ! 私も歓迎会したかったのにぃ!」
「……どんまい」
「うわぁぁぁん!!」
「もう終電行っちゃったけどどうする?」
「走って帰るぅぅ!!」
「うん、日野らしい! だが、プロデューサーとして夜間にアイドルを――いや、そもそも人として女の子を一人で帰すことは出来ないからちょっと待ってろ」
「うわぁぁぁぁん、プロデューサーやらしいー!」
「そこは優しいだよね!? 言い間違いだよね!?」
「ごめん、噛んじゃった……」
「なら良いけど」
「プロデューサー……」
「ん?」
「帰り遅いからお母さん事務所の下に迎えに来たって」
「……そう」
【第二章に続く!】
最初のコメントを投稿しよう!