あいます。～緒方智絵里編～

ﾃﾞﾋﾞｭｰ！

それから買い物を終え、家に帰ってからお母さんに相談してみると、大喜びでGOｻｲﾝを出され、その日の内に親戚全てに私がｽｶｳﾄされた事が伝わってしまい、その皆から応援、お祝いされ、完全に退路を断たれることになってしまいました……。

そうして、ようやく解放されて自分の部屋の中、ﾍﾞｯﾄﾞの上でｽｶｳﾄされた時の事を思い出し、仰向けで唸りながら手足をﾊﾞﾀﾊﾞﾀとさせしばらく悶え苦しみました。

「私が……ｱｲﾄﾞﾙ」
正直想像も出来ない。
えっとｱｲﾄﾞﾙだから可愛い衣装をまとって、ｷﾗｷﾗのｽﾃｰｼﾞで笑顔で歌ったり踊ったり……。
それを私が……。
「うぅぅぅぅ」
想像しただけでも恥ずかしい。
唸るばかりです。

「……もう寝よう」
今日はもう疲れた。せっかくのお休みだったのに全然休めなかったな……。それに当然ながら明日は学校だしね。