とある兄妹の会話

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「そーいや、あと一週間で新学期か……」 「そうだけど、どうしたの、唯兄?」 「いや、今回の振り分け試験の出来が良くなかったからさ……」 「あぁ、たしか唯兄の学校って、テストの点数でクラス分けするよね」 「補足すると、その試験の成績によってクラスの設備が変わるけどな」 「え…?それって差別じゃないの?」 「そのクラス設備を巡って『試召(ししょう)戦争(せんそう)』っていう学校公認のクラス間戦争をして、奪い合うのさ」 「喧嘩はダメだよ!!」 「するか、バカ!!……試召戦争は『試験(しけん)召喚(しょうかん)獣(じゅう)』っていうテストの点数に比例して強くなる自分の分身で戦うの。分かったか?」 「うん。けど、それだと点数の低いクラスは勝てないよね?」 「たしかに、点数が高いことは試召戦争において重要なファクターの一つだけど、それが勝敗を決めるわけではないぞ。それなら試召戦争をする意味がないからな」 「?どういうこと?」 「簡単に言うと――――――」 「―――――本当の戦争と同じで、いかにして戦況を巧みに動かすかが問題だってことだ」
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