早起きは三文の徳とは限らない

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◇◆◇◆ 「―――――です。よろしくお願いします」  今は、HRの時間。俺たちEクラス50名は使い古された椅子に座って簡単な自己紹介をしていた。このクラスのほとんどにとって、この時間は退屈で面倒な1時間である。  しかし、他のクラスは違う。部活中心の生活を送る俺たち、Eクラスはクラス設備には無頓着だが、他のクラスはより良い設備を求めて、今後上位クラスに試召戦争を仕掛けるであろう。  彼らにとってこの時間は戦友の顔を覚える時間となっているだろう。  まあ、もっとも、試召戦争を仕掛けるのは例年通り(・・・・)にいけば3学期になるだろうがな。 「―――――だ。よろしく」  おっと、俺の前まで紹介が終わったみたいだな。  軽く息を吸い、立ち上がる。 「バスケ部所属、水無月唯斗だ。趣味は機械をいじること、好きなことは賭け事、嫌いなものはプライドの高いやつだ」  ひとまずここで区切り、深呼吸を一回する。 「さて、俺の自己紹介を終えたいところだが……皆、静かにして耳を傍立ててくれ」 「「「???」」」 訝しみながらも、耳を傍立てるクラスメート達。 『FクラスはDクラスに宣戦布告する!』 「「「!!?」」」 静かだった廊下から聞こえた言葉に皆、息を呑むのが分かった。驚愕と困惑が入り混じった表情を浮かべるクラスメート。俺はそんな彼らを見ながら最後に一言つぶやいた。 「……今年一年、荒れそうだが仲良くやっていこうぜ」
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