君たちの本心…

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そう言って、ギュッと強まる手の力 それと同じようにあたしの胸もギュッと痛くなった 出会ったあの日を……あの瞬間を 今も鮮明に思い出す 「机を見たら、聞いてたはずの文字が無くてさ、なんだつまんないなって、真をからかえないって、思ってたんだけど……本人が現れて……接点作りたいって言ったのは、俺の本心」 平もきっとあの日を思い出してるんだ 少しだけ目を細めて、懐かしいような、切ない顔をしてあたしを見る 「からかうためだった……始めは。でも、桜とメールするようになって…遊ぶようになって……」 そこまで言って、平はあたしの顔にゆっくり両手を添えた 暖かい大きな手、懐かしさに鼻の奥がツンとする
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