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心臓が大きくドクンと跳ねた
真っ直ぐにあたしを見る平の瞳は、もう意地悪なんかじゃなくて、本気なんだと痛いくらい伝わってくる
どうしよう……
どうしたら、いいんだろう……
だってあたしは今、真くんの彼女なのに……
「いきなりこんなこと、ごめんね。帰るんでしょ?送るよ」
さっきの真剣な顔とは裏腹にコロッと表情を和らげると、平は肩から手を離して歩き出した
あたしが反応に困ってるのに気づいたからかもしれない
さっき流していた涙は、気付けばもうすっかりなくなっていて、今はただただ自分の気持ちが分からなくなっていた
あたしの気持ちは、いったいどこにあるんだろう……
ふと空を見上げれば、綺麗な星空が広がっていた
平と見たあのプラネタリウムの星空を思い出してキュンと切なくなった
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