Pain

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一生、このままかと思っていた。 いずれ私の愛する施設とみんなは風化し、消えていくのだと。 もう、誰も、私を、必要としてくれない、使ってくれないのだと。 道具は、使われなければ、死んでいる。 そしてふと気が付くと、とてつもない地響きがするのを感知した。 暫く使用していなくて存在すら忘れていた、地震探知機器がまだ動いていたようだ。 だけどその反応はおかしく、震源地の場所が全然特定されず、不自然だった。 不思議に思った私が再び全てのセンサーを起動し直してみると、レーダーに大きな反応があった。 数十機の戦闘機が施設へと、いや、私へと向かっている。 陸でも反応があり、大規模な戦車部隊が近づいてきている。 気付いてしまったからには、言いつけどおり動かなくてはいけないのが私の性分だった。 警告の信号を全ての戦闘機と装甲車に送る。 返事よりも早くに、レーダーが大量のミサイルを感知する。 私は急いでレーザー迎撃システムでそれらを迎え撃つけど、まだ電力を問題の解決に割きっ放しだったからレーザーの出力が弱かった。 大半のミサイルの誘導装置を破壊したけど、幾つかが施設の近くで爆発したりする。 その爆発で対空兵器の殆どが破壊されてしまった ―― どうやら彼らは、対空兵器を破壊して、直接接近して施設を破壊するつもりのようだった。 追い詰められた私は、施設の中央部から空へと向けて巨大な鉄の塔を伸ばす。 それはどんどん高さを増していき、終いには20mにも及んだ。 これは強力なEMP兵器だ。強力な電磁波を放出して、近くにある全ての電子機器を破壊することができる。 そして施設自体には強固なEMP対策が施されているから、私や施設の機能が停止してしまうことはない。 もちろん時間稼ぎでしかないけど、まだ時間を稼げる。 まだ考えられる。まだ計算できる。 答えを求めるまで。私は考え続ける。
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