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2学期の新学期の日から数日後の放課後、ヨコとメグとチノとサイカ、そして亜鈴の5人は、5年1組の教室内にいた。
「そういや亜鈴、結局ミィーコを飼う事は出来なかったね」
「うん…… 親にその話をしてみたら、速攻で反対された……」
ミィーコにエサを与えながら、ヨコは亜鈴にミィーコを変えなかった事を言った。
そして、亜鈴は残念そうにコクリと頷いた。
「まっ、今は無理でも、きっといつかはミィーコが飼える日が来るよ。だから落ち込むなって、リン!」
「……」
「って、オイッ! 無視かよ!!」
ミィーコを飼えず、落ち込んでいる亜鈴を見てチノは、亜鈴を励まそうとしたが、亜鈴は何も答えることなくジッとチノの方を見ただけであった。
「まっ、それはそうと、亜鈴はホント毎日私達の教室に来るわね。本当にミィーコを気に入ったみたいね」
「……」
エサを食べているミィーコをジッと見つめている亜鈴を見たメグは、本当にミィーコを飼いたかったのだと改めて実感をした。
その言葉を聞いた亜鈴は、コクリと頷いた。
「それで、亜鈴ちゃんは毎日私達の教室に来てミィーコの世話を手伝うのですね」
「……」
メグの言った事を聞いたあと、サイカは亜鈴が毎日5年1組の教室に来ていると思える理由を言うと、亜鈴は図星を言われた為、恥ずかし気な様子になり固まった。
「そんな事よりさ、リン、なんでヨコとは話をするのに、私やメグやサイカには何も言ってくれないんだよ?」
何を話しても、何も答えようとせず、ただコクッと頷くだけの亜鈴の様子を見て、チノはなぜ口で何も喋ってくれないのか疑問に思い、亜鈴の顔をジッと見ながら問い詰めるように聞いてみた。
しかし、チノの聞き方が悪かったせいなのか、その様子を見た亜鈴は少し怖がるようにしながら、ヨコの後ろにしがみ付くように逃げ隠れてしまった。
「ほらチノ、そうやってなんか追いつめるような目つきで見るから、亜鈴が怖がって隠れっちゃったじゃないの」
亜鈴がヨコの後ろに逃げ隠れた様子を見て、メグは亜鈴を追いつめるような目つきで見て怖がらせてしまった事をチノに注意するように言った。
「ああ、ほらっ、亜鈴、大丈夫だよ。チノちゃんだってきっと怒っていないはずだから」
「そうそう、私はなぜヨコ以外とは会話をしてくれないのかを疑問に思っただけだよ」
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