173人が本棚に入れています
本棚に追加
9月も半月程が過ぎたある日、この日はちょうど台風シーズンという事もあり、この街には大きな台風が直撃していた。
その為、この日の学校は急遽、臨時休校となり、台風が来ている中の休日となった。
勿論、警報が出ている為、外に遊びに行く事は出来ずに、家の中でのんびりと臨時の休日を過ごすのが一般的である。
そして、メグもまた、この台風が来ている今日、広い家の中でのんびりと1日を過ごそうとしていた。
「今日は台風で学校が休みになった事だし、予習でもしとこうか…… じゃなくて、色々とやっていないゲームでものんびりとやろうかしら?」
家の大広間に大きなソファに寝転がるように座っていたメグは、台風が来ている為、家の中に入れたペットの犬の『クラウド』と一緒に大画面のテレビで台風状況を見ていた。
退屈そうな様子でテレビの台風状況を見ていたメグは、普段あまりやっていないゲームの事を思い出した。
そして、メグは普段あまりやっていないゲームをこの警報が出ている日の暇つぶしにやろうと思い、部屋に戻ろうとした時、突然、玄関先からインターホンが押された音が聞こえた。
メグと犬のクラウド以外、誰もいないこの広い家の中全体に響き渡るように、“ピンポーン”とインターホンの音は聞こえた。
外では“ガタガタ”と台風の強風で窓ガラスが揺れている中、突然、家の中に響き渡るようになったインターホンの音を聞いた犬のクラウドは、なぜか“ウォンウォン”と突然吠え始めた。
「一体、こんな台風が来ている日に誰かしら? まさか、相当しつこいセールスなんかじゃないわよね?」
台風が来ている日に、突然訪れた訪問者は誰なのかメグは疑問に思いながら、犬のクラウドと共に、玄関まで歩いて行った。
「は~い、こんな台風の日に何かご用でしょうか?」
どこかダルそうな感じの声を出しながら、メグは警報が来ている日に家に訪れた訪問者の顔を見た。
そして、ドアを少し開けた状態で、ドアの奥にいる訪問者の顔をよく見てみると、そこにいたのはずぶ濡れのチノであった。
「チィース!! 宅配便で~すっ!!」
ドアの向こう側にいた訪問者であるチノの顔を見たメグは、何も喋ることなく、黙って家のドアを閉めようとした。
「ってオイ、なんでいきなり閉めようとするんだよぉ!!」
メグが家のドアを閉めようとすると、チノはそのドアを両手で押さえ、力ずくで引っ張るように開けようとした。
最初のコメントを投稿しよう!