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「入る気って、私はただあんた達が大人しく風呂に入るように注意をしに来ただけよ!」
「またまた、そう言っちゃって。そんな恰好で言われても、入る気満々にしか見えないよ」
メグが、注意をしに来ただけだと言ったのを聞いたチノは、風呂場の入口で立っているメグの裸体を見ながら、少しニヤッとした。
「まあ、裸になっているのは、風呂に入っているあんた達のいたずらで服が濡れない為の対策よ」
浴槽に浸かりながら、ニヤッとした表情で見つめてくるチノに対し、メグは裸になった理由を、少し顔を赤く照らしながら言った。
「服を濡らす…… その手があったな! そんなことはさておき、せっかく裸になったんだったら、一緒に風呂入ろうぜ」
「そうだよ、メグちゃん。ここまで来ておいて、今更引き返すなんてもったいないよ」
全裸の状態で風呂場の入り口にいながらも、まだ風呂には入ろうという気を見せないメグを見て、チノとヨコは浴槽に気持ち良く浸かりながら、メグに風呂に入るように言った。
「メ、メグさん…… 日本のお風呂って、熱いですね……」
「ちょっと、サイカ! 大丈夫!?」
普段から、熱いお湯に浸かる事に慣れていないサイカは、既に限界が訪れ、そのまま浴槽の端の方にしがみ付く様にグッタリとしだした。
その様子を見たメグは、急いでサイカの元へと駆け寄った。
「サイカったら、体が真っ赤っ赤よ。大丈夫?」
「えぇ、私は大丈夫よ。しばらく風呂から出て休んでおくわ。タッチ」
「交代ね。シャワーで冷たい水を浴びると良いわ」
お風呂のお湯で体が湯ダコのように真っ赤になったサイカは、メグに風呂に入る役を任せるようにタッチをした後、風呂場の床に倒れこむような感じで浴槽から出た。
「サイちゃん、大丈夫かな?……」
「どうなんだろな? サイカが以前に住んでいた国だと、日本ほど風呂に入る事はないからな。やっぱり慣れてないと長時間のお風呂ってのはキツイのかな?」
浴槽側にお尻を突き出す様な体制で、お風呂の床に寝そべっていたサイカの様子を見たヨコとチノは、少し心配をしながらその様子を見守っていた。
そして、湯ダコ状態になったサイカと変わり、メグはヨコとチノと亜鈴が入る浴槽の中へと足を踏み入れた。
「お待たせ。あなた達の願い通り、お風呂に入ってあげたわよ」
「結局入りやがったよ。どうせ初めから一緒に入る気だったくせに」
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