台風の日には……

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「入る気も何も、あなた達がいる以上、何を仕出かすか分からないので、常に目が離せないからよ」 「でも、そのおかげでメグちゃんはお風呂に来てくれた。私はとっても嬉しいよ!」 「って、ちょっと洋子、いくら嬉しいからって、お風呂の中で抱きつこうとするのは止めなさい」 メグも一緒にお風呂に入ってくれた事をとても嬉しく思ったヨコは、浴槽の中でメグの背後から抱きつきに行った。 そして、その様子を、亜鈴は口元まで湯に浸からせながら、ヨコに抱かれているメグの様子をジッとした眼で見ていた。 その後、しばらくの間浴槽に浸かっていたヨコであったが、お湯の熱さが我慢の限界に来たのと同時に体を洗う目的もあり、浴槽から出ようとして立ち上がった。 「私、そろそろ出て、体を洗うね」 そう言いながらヨコは、無防備な裸体をメグとチノと亜鈴にさらけ出しながら、浴槽から出た。 「あっ、サイちゃん、もう復活したんだ」 「ご覧の通りですわ。冷たいシャワーを浴びて、熱が冷めましたの」 先程までお風呂でのぼせていたサイカも、冷たいシャワーを浴びたおかげで、すっかり元気を取り戻していた。 「せっかくだしさ、サイちゃんの髪洗ったげるよ」 「えっ、でもヨコさんは体を洗う目的で出てきたのでしょう?」 「いいって、気にせず。さっ、髪を洗うよ!」 先程までシャワーを浴びていた為、お風呂のイスに座ったままでいたサイカの濡れた髪を見たヨコは、自分の体を洗うよりも、サイカの髪を洗ってみたいと思った。 そして、そのまま目の前の全身が写るくらい大きな鏡の隣に置いているシャンプーを取り数回プシュプシュをして、液を手のひらに出した。 「それじゃあ、髪洗うよー 泡が入らないように目を瞑っててね!」 そう言いながらヨコは、サイカの後ろに立ち、手のひらに付けてあるシャンプーの液を泡立てた後、サイカの頭を洗い出した。 ヨコにクシャクシャと洗われるサイカの頭は、たちまち雲を乗せたように白くフワフワとした泡でいっぱいになった。 「わぁ、ヨコさん、少し力を入れ過ぎなのでは?」 「そんな事ないよ。こうやって力を入れた方が、より綺麗になるよ」 サイカの髪を洗っているヨコは、とても楽しそうであった。 「そして、更にお洒落な髪型にもしたげるね!」 「え!? ヨコさん、お洒落な髪型って!?」
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