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突然、ヨコが髪を洗っている最中にお洒落な髪型にすると言ったのを聞き、サイカは洗いながらどんな髪型になるか気になりながら驚いた。
「いいから、ちょっと目を瞑ってて」
「うん、分かったわ」
ヨコに言われるがまま、サイカは目を瞑った。
そして、ほんの少し時間が経った頃、サイカは頭部にほんの少し重みが出来たのを感じた頃、ヨコが言うお洒落な髪型は完成した。
「もう目を開けてもいいよ」
「うん、開けますわね」
そして、サイカはヨコに言われるがまま、どんな髪型になったのか期待と不安にあおられながら目を開け、目の前にある大鏡に映る自分の姿を見た。
「…… なんか、ソフトクリームみたいな髪型になったです」
「ソフトクリームと言うよりは、盛りヘアって所かな?」
目を開けて、鏡に映っている髪型を見てみると、まるでコーンの上に乗っているソフトクリームの様にふわっと立った髪型である。
「まさに、『盛り』だけに『森ヘア』だね!」
「もう、ヨコさんったら、旨い事まとめようとしないの」
サイカの盛りヘアを見たヨコは、『盛り』と『森』を掛け合わせ、更にサイカの名字である『森宮』から、勝手に『森ヘア』と命名して楽しんでいた。
そんな様子を、チノとメグと亜鈴は浴槽に浸かりながら、2人の様子を見守るように見ていた。
「私達、ショートカット組は、とてもあんな髪型は出来そうにないな」
「そうね。別にロングでも、あんな髪型にしたいとは思わないけど」
「そうかい。メグももう少し髪が長ければ、あんな髪型にでもしてやったのに、今のおかっぱのような髪型では、サイカの様にボリューム良くは出ないな」
「おい! おかっぱとか言うな!! せめてボブとでも言え」
おかっぱと言われるのをあまり好ましく思わないメグは、チノの発言を聞いたあと、怒り口調でボブと言わせようとした。
「はいはい、分かったよ。これからはボブと呼ぶよ」
「はいは一回でいいのよ。そんな事よりも、私もそろそろ体を洗うために出るわね」
これからは、おかっぱではなくボブと呼ぶ事をチノは渋々と認め、それを見たメグは体を洗う為に浴槽から出た。
そして、メグが浴槽から出ると、先程までサイカの髪型をいろんな形に変えながら洗っていた遊びを終えたヨコも、今度は自分の体を洗う為、サイカと交代で風呂場のイスに座った状態でいた。
「あらっ、洋子。今から体を洗うのね」
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