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そして、頭の上に乗っているチノの両腕を払い除けた後、メグは自分の両胸を隠し抑え赤面な顔になりながら、後ろにいるチノを見た。
「なんか、二人で体の洗いっこやってんだったら、私も混ざろうかなっと思って」
「別に洗いっこって言うほどのものじゃないわよ。私はただ、洋子の背中を洗っていただけだし」
先ほどのメグがヨコの背中を洗っていた様子を見て、チノが自分もその中に混ざりたいと言い出した。
「だったら、メグの背中は私が洗ってあげるよ。それも手で」
「なんか、色々と遠慮したい気分だ……」
そして、チノがメグの背中を素手で洗おうとした為、メグは少しばかり青ざめた気分となった。
チノがメグの背中を楽しそうに洗っているのを見たサイカも、その背中洗いに混ざってみたいと思い、チノの後ろに行った。
「じゃあ、チノさんの背中は私が洗いますね」
「ちよぉ~ 力入れ過ぎだよぉ、サイカァ~」
更に、背中の洗いっこを行う列の最後尾にサイカが加わり、チノの背中を力強く洗い始めた為、チノは痛がる様子を見せた。
その様子は列の最前列にいたヨコにも伝わり、ヨコ自身も誰かの背中を洗いたいと思いだした。
「あっ、亜鈴。こっちおいで。私が背中を洗ってあげるよ」
そして、1人で浴槽に浸かっていた亜鈴の方をチラッと見たヨコは、背中を洗える対象者を見つけたと思い、すぐさま亜鈴に来るよう呼びかけた。
「…… うん、いくよ……」
ヨコに呼ばれるがまま、浴槽から出た亜鈴は、ヨコの目の前に背中を向け、そのまま床にペタンと座り込んだ。
その後、すぐにヨコは亜鈴の背中を洗い始めた。
亜鈴の背中はヨコが洗い、そしてヨコの背中をメグが、更にチノとサイカと続き、風呂場の中で5人が一列になって、それぞれの前列にいる人の背中を洗うという構図が出来上がった。
「なんか、たまには皆で風呂に入るのも悪くないかも~」
「だろだろ! せっかく風呂に入ったんだし、もうこのままメグの家に泊まりたい気分だよ」
「おいおい、いきなりの宿泊はないだろ。宿泊はまた今度な」
チノに背中を洗ってもらいリラックスをしていたメグに、チノは風呂に入ったついで感覚にと、この勢いで宿泊をしたいと言い出したが、さすがにメグもいきなりは無理だと言った。
そんな感じで、台風が来ていた日の午前中、ヨコ達はメグの家の風呂場でのんびりと楽しく過ごしていただけであった。
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