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そのビニール袋に入っていた例の飲み物は、明らかにビールぽい形をしているビンに入っている飲み物であったからだ。
「チ、チノちゃん。それって、まさか……」
「ビールとかいう飲み物ではないかしら? だとしたら、子供である私達は飲んではいけない飲み物ですわ」
その例の飲み物をビールだと感じ取ったヨコとサイカは、チノがビールを皆で飲む目的で持って来たと思い、口を震えさせながら言った。
「まあ、確かにビールで間違いはないけどさ、これはアルコールの入っていない子供用のビール。つまり、ただのジュースさ!」
ビニール袋の中に入っている飲み物を、ビールだと思い込んで驚いているヨコとサイカに、チノはビールではなくジュースであるという事を伝えた。
「まさかチノの事だから、本当にビールを持って来たと一瞬だけでも思ってしまったけども、これを見る限りでは、本物のビールではなさそうね」
チノがビニールの入っている飲み物はビールではないと言った為、メグが確認の為にその飲み物をよく見てみると、確かに大人の飲むビールではなく、子供用のビールもどきのジュースであった。
「だろ。これはビールの様に泡が多く出るジュースだよ。さっ、みんなで飲もうよ!」
「そだね。飲も飲も~」
「なんか、ビールの様に泡が出るなんて楽しみですわ!」
そのビールの様に泡がよく出る飲み物をチノが皆で飲もうと言った瞬間、さっきまで眠たそうにしていたヨコとサイカも、その飲み物を飲んでみたいと思い、眠気が吹き飛んだ。
「てなわけでメグ、グラス借りてもいい?」
「別に良いけど、せっかくだし持つの手伝おうか?」
「おっ、ありがとね! だったらお願いするね」
そう言ったあと、メグはチノと共にグラス持ちの手伝いをする為、部屋を出た。
それからしばらくして、メグは3つ、チノは2つのグラスを持って部屋に戻ってきた。
「それじゃあ、グラスを持って来たから、みんなで飲もうぜー!!」
チノが部屋に戻って来るなり満遍の笑顔でそう言った後、メグが部屋の中で楽しみに待っていたヨコとサイカに、持っていたグラスを渡した。
「はいっ、落とさないように気を付けるのよ」
「は~い。早く入れて~」
「早く飲みたくて、楽しみですわ」
メグからグラスを受け取ったヨコとサイカは、早くビールの様に泡が出るというジュースを飲みたくて、ウズウズしていた。
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