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いくらジュースとはいえ、飲み過ぎはよくないと心配しているメグを見たチノとヨコとサイカは、とりあえず細かい事は気にせずに楽しんで飲もうと言って来た。
「まっ、そうよね。せっかくみんなが泊りに来ているんだし、こんな日こそ楽しまないとね」
「そうそう、楽しまないと。それに、まだまだジュースは残ってんだし」
そう言うと、チノは新しいビンのフタを開け、メグのグラスの中に新しいジュースを注いだ。
そして、真夜中のメグの部屋の中でのパジャマパーティーは、時間を忘れるくらいビールのようなジュースを飲みながらお喋りをして楽しんだのであった。
その後、時計の針がちょうど12時を指し、日付が変わり始めた頃、先程まで賑やかだったメグの部屋の中もすっかり静まり返った様子となった。
そして、先程まで楽しそうにビールのようなジュースを飲みながらお喋りをしていたヨコとチノとサイカも、今や布団の中でグッスリと寝ていた。
「もう、洋子達も寝た事だし、私だけ起きているのもなんだし、そろそろ消灯しようかしら」
布団の中でスヤスヤと眠っているヨコの寝顔を見たメグは、寝ているヨコ達の為にと思い、部屋の電気を消そうとして立ち上がった。
そして、立ち上がった時に、ふと部屋の隅の方を見てみると、そこでは亜鈴がペタリと座り込んだ状態でスマホをいじっていた。
「あらっ、亜鈴ちゃんはまだ寝ないの?」
「うん、……」
メグの問いに亜鈴は、スマホの画面を見ながら、一言で返事を返した。
「もう電気を消すから、亜鈴ちゃんもそろそろ寝なさい」
そう言いながらメグは、机の上に置いているリモコンを取り、部屋の電源を消そうとした時、後ろの方から亜鈴の声がした。
「でも…… 消すのは待って」
「ん? どうしたの」
亜鈴の声を聴いたメグは、とりあえず電気を消すのを止めた。
「話がしたいと思って」
何の用で呼び止めたのかなと疑問に思っているような顔をしたメグに見られている亜鈴は、無表情な表情をしながら言った。
「な~に話しって。なんでも聞いてあげるわよ」
そう言いながらメグは、亜鈴の隣に座り込んで、話を聞こうとした。
メグが隣に座ったのを確認した亜鈴は、普段から無口で重く閉ざされているような口を動かし始めた。
「いつも、こんな賑やかな事をやっているのか?」
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