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それから、学校へ着いてからは、亜鈴とは職員室前で別れ、ヨコとメグとチノとサイカは自分達のクラスである5年1組の教室へと向かった。
夏休み明け、久々に見る教室、そして久々に会うクラスメイトを楽しみにしながら、ヨコは期待に胸を張りながら、5年1組の教室のドアを開けた。
「みっんな、おっはよー!!」
ヨコが、教室のドアを開けたのと同時に元気よく大きな声で挨拶をした為に、教室内にいたクラスメイト達が一斉に教室の入り口にいたヨコ達の方を見た。
「よう、久しぶり! みんな元気にやってたか?」
教室内にいたクラスメイト達からの視線が一斉に集まったあと、チノはそのクラスメイト達に右手を半分くらい上げながら挨拶をした。
そして、教室の中にある自分の席に向かって歩いている最中にも、チノは席に座っているクラスメイト達に挨拶をしながら歩いた。
「よっ、平中、久しぶりだな」
「おう、鉄二じゃないか! ホント会うの久しぶりだな!」
チノがクラスメイト達に、挨拶をしながら歩いていると、チノの幼馴染の男子生徒である鉄二が、自分の席に座りながら挨拶をしてきた。
そしてチノも、挨拶をしてきた鉄二の様子を見て、久々に会ったという気持ちでテンションが上がり、挨拶と同時に鉄二の肩をポンッと叩いた。
「なんだよ、平中…… お前相変わらず、何も変わっちゃあいねーな」
「なにを言うか、鉄二こそ相変わらず何も変わってねーな」
肩をポンッと叩いてきたチノに対し、鉄二も挨拶代わりに、チノがポンッと肩を叩いた手を片手で握手するように握った。
その様子を、ヨコとメグとサイカがチノのすぐ後ろで見ていると、教室の後ろの方から誰かが話しかけて来た。
「やあ、洋子ちゃんに恵ちゃんに彩架ちゃん、久しぶり。みんな元気にしてた?」
教室の後ろの方から話しかけて来たのは、鉄二の友達で名前からは想像も出来ないくらい外見が女の子そっくりな男の子の風太であった。
「あっ、風太君だ! 久しぶり」
「風太君、久しぶりですわね」
「まあ、私達は見ての通り、元気にしてたわ。そういう風太こそ相変わらず元気そうじゃないか」
夏休みが明けた今日、教室内で久々に挨拶をしてきた風太を見て、ヨコとサイカとメグも風太に久々の挨拶を返した。
「うん。僕も見ての通りだよ。それにしてもなんか、みんなの顔を見ると、またいつもの学校生活が始まったと実感が出来るよ」
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