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そして、久々に教室でヨコ達の姿を見た風太は、またいつもの学校生活が始まったとホッとした様子で言った。
「おぉ、風太じゃないか! ひっさしぶりだな~」
「ちょ…… 茅乃ちゃんこそ、久々に再会できてうれしい気持ちは分かるけど…… あまりキツく抱きつかないで……」
ヨコ達がいる方へと近づいて来た風太の声を聴いたチノは、久々に聞いた風太の声に嬉しく反応をし、すかさずその勢いで風太の身体を締め上げるように抱きしめた。
それから、風太をキツく抱きしめているチノの後ろ側にヨコとメグとサイカの姿を見た鉄二は、チノの時と同様に夏休み明けの久々の挨拶をした。
「よぉっ、洋子に恵に彩架と久しぶりじゃないか! お前等、夏休みは満喫出来たか?」
「うん、充分に楽しい夏休みを送れたよ!」
挨拶と同時に、鉄二はヨコ達に夏休みは満喫出来たのかと問いかけると、その問いにヨコはニコッとした笑顔で充分に楽しんだと言った。
「ほ~う、お前等も、それなりに夏休みを楽しんでいたみたいだな」
「そうですわ、なんせ私達は8月の後半に、メグさんの祖母の家がある田舎へ私達だけで旅行に行って来たのですから」
鉄二の反応に対しサイカは、この夏はメグの祖母の田舎に自分達だけで旅行へ行って来たことを、楽しいそうな表情をしながら言った。
「そ、そうなんだ。別に行ってみたいとか、うらやましいとかなんて思っていねーからな!」
鉄二は、少し心の底で羨ましいと思っているような素振りを見せた。
「でも、やっぱり行ってみたかったでしょ? てか、誘われていたら、絶対ついて来てたでしょ?」
「んな訳ねーだろ!! だいたいなんで俺が女子と一緒に……」
少し羨ましそうにヨコとサイカの方を見る鉄二をからかう感じでヨコが一言言うと、鉄二は少し恥ずかしがる感じで否定をした。
「ちなみにな! 俺はこの夏、近くの山へ風太と中和田と小林と一緒にな、ザリガニを取りに行ったんだぜ!! いいだろ~ 羨ましいだろ~」
羨ましいと恥ずかしいという気持ちが混ざり合った鉄二は、スケールでは負けていると分かりながらも、ヤケクソになりながら、この夏に男友達と近くの山へザリガニを取りに行った話を自慢した。
ちなみに、中和田と小林とは、鉄二の男友達である。
「へ~ 鉄二君もなんか楽しい夏休みを送れたみたいだね」
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