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「へへ、そう思うだろ? なんせ、俺がザリガニを取りに行った日にな、こんなにデカいザリガニが捕れたんだぜ!」
鉄二は両手を使い、捕ってきたザリガニの大きさが大体どれくらいなのかを表した。
そして、その後に鉄二は自分のズボンの中に入っているスマホを取り出し、その時に取ったザリガニの画像をヨコ達に見せた。
「ほらっ! それがこの時に取ったザリガニだ!!」
「わぁ、本当にデカいね」
「まるで、ロブスターのようですわ」
「あの山にも、こんなデカいザリガニがいたのね」
鉄二のスマホに写ってるザリガニの大きさを見て、ヨコとサイカとメグは驚いた。
「もっ! もしや、これは…… あの山に生息をしていると言われている主、伝説のキング・ロブスターなのか!?」
ザリガニの大きさを見て驚いているヨコ達に混ざり、一緒に驚いている1人の女の子がいた。
「なっ、なんだよ、化田…… 突然出てきてビックリするじゃないか」
「あらっ、私が突然出てきたとなぜ言えるの? もしかしたら、スマホを取り出す前から居たかもしれないわよ?」
この謎めいた事を言う女の子は、ヨコ達のクラスメイトで、ほぼいつもゴスロリ系衣装を着用している化田零である。
「あっ、化田さんだ。久しぶり~」
「あらっ、みなさん、元気でなにより」
突然現れた化田を見たヨコは、すかさず化田に挨拶を行った。
「久しぶりね、化田さん。そういや、化田さんは夏休みの間、何をしていたの?」
「ほう、貴方達はそんなに私の私生活が気になるようね……」
「いや、そんな私生活と言うよりも、ただ8月の後半は何を何をやっていたのかなっと思って」
久々に教室で化田の姿を見たメグは、何か話題を持ちかけるように化田に話しかけた。
「よろしい、ならば語ろう…… 私はこの夏の間ずっと自由研究をしていたわ」
「研究って、何の?」
「それを聞いてしまうと、純粋な心を失ってしまう事になるわ。なので秘密」
この夏の間、化田は自由研究をやっていたと言う以外、それ以上は何も語ろうとはしなかった。
その後、鉄二は化田が着ている服を、物珍しいそうな目付きで見ながら喋った。
「それにしてもさ、相変わらず化田は変な事を言う上に、人形みたいな変な服装だな」
「なっ、何を言うか! このお子様君よ、私の着ている服がゴスロリ衣装であるという事がなぜ分からん!!」
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