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ミィーコとは、ヨコが一学期に時にメグと一緒に雨の日の登校中に拾った子猫の事である。
その子猫のミィーコは、飼い主が見つかるまでの間、ヨコ達のクラスである5年1組で面倒を見る事になっていたが、夏休み中は先生が自宅でミィーコの世話をしていたのである。
そんなミィーコも、本日は先生と一緒に登校をし、久々に5年1組の教室に戻って来たのであった。
「なんか、ミィーコ、少し以前よりもたくましくなったような……」
「まあ、そりゃあ、この夏は色々とあったからな。それに猫は人間よりも早く成長するんだ」
先生から受け取った猫のミィーコを見たヨコは、以前よりもほんの少したくましくなっているのを気にした様子でいた。
「そんな事より石畑、早く自分の席に着け。もうホームルームは始まってんだ!」
「は~い、んじゃあ行こかミィーコ」
先生に早く席に着くようにと言われたヨコは、少しダルそうに返事を返した。そして、その後にミィーコにも席に行く事を伝えると、ミィーコもニャ~と鳴きながら返事をした。
そして、ミィーコを教室の後ろの棚の上にある専用スペースに置いて、ヨコが席に座ったのを確認した先生は、二学期最初のホームルームを始めた。
「…… まぁ、夏休みも終わったことで、今日から2学期が始まるわけだが、みんな夏ボケなんてしてないで気合を入れて行こうぜ!!」
2学期初めのホームルームでの先生の一言は、教室中に響き渡るくらい大きく、一気に目が覚めそうなくらいの大きな声であった。
この日は、始業式だけであった為に、すぐに下校の時間となった。
そして、同時にこの日が初登校だった亜鈴は同じクラスにまだ新しい友達が出来なかったのか、始業式が終わってすぐにヨコ達の教室前に来た。
「あっ、亜鈴。来てくれたんだ。で、どうだった? 新しいクラスは?」
「…… うん、まぁ、楽しそうなクラスだった」
教室の入り口に立っていた亜鈴に目が入ったヨコは、ミィーコを抱いたままの状態で亜鈴に新しいクラスの感想を聞いた。
すると、亜鈴はボソッと呟く感じで自分のクラスの感想を答えた。
「ねぇ、洋子、その猫は?」
「ああ、この猫ね。この子はミィーコって言うんだよ。ほら、ミィーコ。亜鈴ちゃんに挨拶をするんだよ。はじめましてだにゃ~」
ふと気になった様子で、亜鈴はヨコが抱いている猫のミィーコを見ると、ヨコは抱いている猫のミィーコの名前を教えた。
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