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円はクルリと後ろを向き
「もう時間だな、俺は、もう行く、アンタも遅れるなよ?じゃぁな」
円は、そう言って後ろ手に手を振り、消えた
「……………」
残された焔は、何処か惚けた表情で、入学式会場へと歩き始めた
「…………春原…円…」
焔の口から小さく零れた声は、凪ぐ風に消えて行った
─ ─ ─ ─ ─
焔と円の初遭遇から十数分、焔は依然として、上の空な状態で有ったが、問題無く入学式会場へと辿り着いた
案内の紙を見ながら指定された席に座り、式の開始を待つ
程なくして、入学式が始まり、進行役が話を始めた
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