生物兵器

9/34
前へ
/192ページ
次へ
そこに指をかけ、ゆっくり持ち上げる……中には近代的な壁作りの地下室が広がっていた。 「ここが研究室……気づかれねぇわけだな」 「気を付けて。中に強力な魔力を複数感じるわ」 「前も思ったけどよ、リオもセイズを使えるのか?」 ジオの言葉にリオは胸を張った。 「サラに教えてもらったのよ。昔にね」 「セイズを教える、ねぇ……今のサラじゃ無理か」 「そうね、無意識にやってることだから」 ジオは頷き、下に飛び降りた。はしごの手すりをつかみ、滑るように降りていく。 膝をクッションにして音を吸収する。それでも少しは音が響いてしまう。 「ちょっと、静かにしなさいよ」 「違う。どんなに音を消しても音をたてるように作られてる」 ここは敵の侵入がすぐにわかるんだな……なかなかやりにくい。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加