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「あーっ、待って、待って、悠ちゃん!」
必死で叫び慌てて呼びとめると、仕方なく感丸出しで、再び足を止めてくれた悠ちゃん。
「何、まだ、なんかあんの?」
あるっ、あるあるっありますよって!
「悠ちゃん、私、今日、誕生日!」食いつく勢いでまくし立てた。
だから? それが、何? 間違いなく、即効でそう言われると思ってた。
けれど……悠ちゃんは視線を右斜め上に向けて、少し考える素振りを見せ、ゆっくりと私に視線をもどす。
「あー、そういや、そうだったな――、8月8日、だったもんな」
やった! 嬉しい! ちゃんと覚えててくれた! っていうか、言ったからだけど思い出してくれた!
「うん、うん、そうなの!」嬉し過ぎて思わず前のめり気味になる。
「理子……お前、いくつになったの?」少しだけ、小首を傾げながら尋ねられて、あぁ、胸がキュンとするほど、かっこいい♪
「12歳!」にっこりと満面の笑顔で返したら、わずかにだけど悠ちゃんの口角が上がる。もうそれだけで私の心はドラムのように弾んでる!
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