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俺は気を取り直して、小さく息を吸う。そして頭の中でゴングを鳴らした。
「で?」理子の目を見て、問いかける。
「ん?」何が? と言わんばかりに目を丸くしている。
「全部解決した? 理子の疑問は」これは、前置き。
「え、あっと、うん」コクリと頷いたのを確認して。
よし、ニヤリと口角を上げた。
「なら、俺の番な」
「へ?」
「今日、何があったか話して」瞬時に表情が変わる。
「……」
「誰に会った?」
「……」
「何を見た?」
「……」俺から目は逸らさないが、返事もしない。
「……黙秘か?」
「……」
「俺がそれを許すとでも?」
「……」
「理子」
「――――何」さっきまでとは別人のような低いトーン。
「高橋には会ったのか?」俺は理子の表情を少しも見逃さない。
「話したのか? あいつと」会っていて欲しくないという気持ちで、言葉を紡ぐ。理子は視線を落としてしまった。
「会ってない――。それに悠ちゃんが何を言ってるのか、理子にはよくわからない」
へぇ~、言ってくれるじゃん。
そうかよ、ソッチがその気なら……、
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