第五章

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えっ――、驚きの声は言葉にすらならなかった。 唐突に頭に浮かんだ言葉、それは『予告』で――、 俺は一瞬で理解した。まるで全てのパズルのピースが一致するかのように。 再び現れた高橋、理子の前に現れたこと、待ち伏せ、近付く距離。 そして、ゲームと言った意味。 最後はリアルで見たいと言ったアイツ。 そして、わたされた高橋の手紙。 あれはやっぱり予告なんだ。 一年前のあの日、アイツは他の人の手で理子を奈落の底に突き落とした……。 そして今、 階段に気をつけろ――、言葉一つで理子は恐怖に震えさせられている。 それを見てアイツは笑っている。 本当に悪趣味のくそ野郎だっ。 そして、明日――、 アイツは理子に何かする気だ。
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