61人が本棚に入れています
本棚に追加
はちがつ じゅういちにち はれ
おかあさんが、しんだので、ゆいごん? で、ですますくを、つくりました。
ぼくは、おかあさんのかおに、しろいものを、ぬりました。
てが、べたべたしました。
しらないおとこのひとが、だいたい、ぬりました。
ですますくが、できました。
・
はちがつ じゅうににち はれ
ですますく、おうちにあります。
・
母親が死んだのは、岡村清一が五歳の時だった。
愛する人が死んだ場合、その実感が湧かないと言う人は、珍しくない。
それは、愛する人が死んだという紛れも無い事実を、頭が拒否しているからである。
その死を認めたくないのだ。
しかし岡村の場合は違った。
五歳ならば大人程ではないにしろ、〝死〟というものをほとんど理解しているはずだ。
普通は。
最初のコメントを投稿しよう!