隠された想い

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『お前の両親を殺したのは、源氏を率いる源 梓の両親だ』と。梓とは、幼い頃に1度だけ出会ったことがある。梓に一度出会ったことがあるかと聞かれ、俺はそれに頷くことができなかった。 今の彼女と昔の少女は、全然違う。同一人物とは思えなかったのだ。 ……だが、俺は"源氏の直系の姫"について調べ、その時に知る。『源 梓の両親は俺の両親と同じ境遇にあり、とある和解の話し合いの席で刺されている。 しかし、それは源氏、平氏の和解反対派によって、巧妙に犯人を隠し、過去にあったことから「平氏が、源氏が」と擦り付け、真相は迷宮入りになりつつあるものである』と。 つまり、俺は本当のことを知っているわけではなく、家人の言葉に踊らされていたのだ。 煮え湯を飲まされていた。 いつか、梓のお守りの春人さんにこう警告された。 「君の周りに味方は本当にいるか、見極めたほうがいい。あの世界で大人を信じてはいけない。私であっても全てを委ねるな、必ず自分を持て」 いつもは優しい笑みを浮かべている春人さんが、真剣な顔つきになって言っている。全てを委ねてはいけない、と。 彼の瞳が「自分と同じようになってほしくない」と訴えていた。
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