想いは桜の花に乗せて

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そして、俺が18になった時だ。幼いあの思い出は色褪せ、源氏に対して憎悪を抱くようになった。 そして、『源 梓』という一つ下の女人に会い、憎悪に満ちた瞳でこう言った。 「俺、お前のこと嫌いだから」 それを聞いた少女は一瞬だけ瞳に悲しみの色を見せ、明るく微笑んだ。 「そっかぁ、わかった。いつか、好きだと言ってもらえるように頑張るよ!」 現代に行って、京都で会っただけで、「お前が嫌い」と言ってきた男に、呆気らかんと言い返すことに、目を見開く。 「そだ、隼人君は和菓子作ってるの?」 俺の格好と和菓子の本を見比べると、和菓子職人なのかと聞かれ、「ああ……」とぶっきらぼうに答えた。 「本当!?私、甘いもの好きなんだーっ」 嬉しそうに笑う少女の顔が、どことなく昔の思い出を蘇らせる。 そして、既視感を感じて……軽く頬をつねってみた。 ……寝ぼけているわけではないようだ。 それからというもの、彼女は『花月』へよく通うようになった。
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