ツィモナ*過去

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「その、木も、周りの植物たちも・・・・」  男性が視線を巡らせた。 「ありがとうって、言っています。凄く凄く、感謝しています」 「・・・そうか。でもそれはきっと、お前にもだな」 「え・・・」 「お前が、この森のために頑張ったから」 「・・・」  ツィモナが植物たちに目を落とすと、どこからか白いブーツが運ばれてきた。 「・・・あ」 「おいおい」  男性が呆れたようにため息をついた。 「お前、止められたのに無理に飛び出したわけかよ」 「ど、どうして・・・・」  分かるの? 「そら分かるわ」  苦笑した男性が、白いブーツを持ち上げてツィモナに渡した。 「・・・仕事で礼を言われるのは初めてだな」  そう言って、男性は淡く微笑んだ。 「お疲れさん」
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