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ゴオォォオオ…
「・・・・・」
ぐいぐいとツィモナの足を引っ張る、弱々しくも懸命な植物たち。
ツィモナはただ、その場に立ち尽くしていた。
メティスに広がる大自然。
その端にある、森の一部。
ツィモナの住処であり、“友達”が居る唯一の居場所。
そこを見下ろせる、とある崖の上に、ツィモナはいた。
ツィモナの眼下に広がるのは、無情な炎。
緑が美しい森は、今や黒く霞んでいる。
赤い炎から立ち上る黒い煙が空を覆った。
フラリと無意識に森に向かおうとする足を、植物たちが必死で抑えている。
“行くな”と。
植物は動けない。逃げるすべがない。
一度火の粉が飛べば、それはたちまち燃え広がり、避けることの出来ない植物たちは焼かれるがままに灰となるのだ。
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