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植物たちは総勢でツィモナを森から追い出そうと彼女の体を押した。
「やだ、やめて!!」
炎がそこまで迫っている。
ひときわ大きい葉を持つ植物がツィモナを力いっぱい押した。
ツィモナは突き飛ばされて地に倒れこむ。
急いで起き上がって振り返れば、先程まで元気に動いていた植物が炎にあてられていた。
走り寄ろうとすると、それを阻むように炎がツィモナの前に立ちはだかった。
あまりの熱さに一瞬身を引いたが、すぐに思い直した。
このまま私も炎に焼かれたら――・・・。
ツィモナはゆっくりと手を燃え盛る炎へと近づけて。
横からそれを、腕を掴まれて止められた。
「・・・!」
ぱっと横を見ると、息を切らせている男性がツィモナを見下ろしていた。
額には大粒の汗が光り、瞳は横の炎によってゆらゆらと輝いていた。
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