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ツィモナは咄嗟に身を引いたが男性の力にはかなわず、そのまま引きずられるように炎から離された。
「や・・・はな、し・・・!」
怖い。誰なの。
ツィモナがぎゅっと目を瞑ると、男性がようやく足を止めた。
「こんなところで何をしている」
見上げると、男性は静かな怒りをたたえた瞳でツィモナを見下ろしている。
腕を離してはもらえない。
「や、離してっ・・・くだ、さ・・・!」
誰かと関わることを極端に苦手とするツィモナは、男性の腕から逃れようともがいた。
片足は裸足なので、傷だらけで痛い。
少し力を加えるとすぐに血が滲んだ。
「こんなところで死にたいのか」
「ここじゃないと嫌!!」
思わず叫んでしまい、ハッとして男性を見上げると、彼は驚いたように目を見張っていた。
どうすれば良いかわからず、ツィモナの目には困惑の涙が溢れた。
「こ、ここは私の大事な場所・・・みんな、苦しんでる・・・助けたいのに・・・」
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