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「みんな?」
男性が訝しそうに首を傾げた。
彼からすれば、ツィモナのいう“みんな”が誰のことを指すのかが分からないらしい。
「植物たち。炎がダメなのに・・・逃げられないから・・・苦しんで・・・っ」
そこで男性は、ツィモナの能力を見抜いたらしかった。
彼は近くの木にツィモナを引き寄せた。
「この木はなんと言っている」
「・・・・」
なぜこんなことをするのか分からなかったが、ツィモナは木の声を聞く。
変わらない。先ほどの植物たちと。
「・・・・」
「なんと言っている」
黙ったツィモナに、男性は重ねて訊ねた。
「・・・・・に、逃げろ、って・・・」
「そうか」
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