歩み

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歩み

「あと一歩で百歩目だった 彼の足は 九十九歩目で動けなくなったんだって 彼はその時 何を思ったんだろうね」 広い背中が話す 頬を掠める風に 連れていかれてしまいそうな声で 道端の空き缶 似た者同士ぺしゃんこで 僕はどうすればいい もう夢の続きはやってこない 僕の足は ボロボロで動けなくなったんだ もう僕は前へ進めない これまで信じてきた この歩みも 色褪せて形も分からないんじゃ 走っても追い付けないんじゃ もう意味がない 2人、影が重なって 夕陽が沈んでく 僕は見てやるもんかって 唇噛みしめ 代わりに見つめたのは 少し汚れたスニーカー 「あと一歩で百歩目だった その足は 九十九歩目で止まってしまってる それでも、もし それまで歩いてきた九十九歩は 無駄じゃなかったって 信じることができるなら まだ、前に進める」 ────『なりたい!』 僕の口から 初めて出た言葉 そしたら 父は、おとぎ話のようだねと 一緒に歩む約束をしてくれたんだった そうだ あと一歩で掴めたのに 僕のこの足は 九十九歩目で動けなくなった あぁ僕はその時 それまで歩いてきた九十九歩を 歩みを信じたか まだ僕は進める だって ここまで来たんだ ほら 振り返ってごらん 九十九歩の歩み たとえ真っ直ぐじゃなくたって 自分らしく、君らしく ただ百歩目へと── 「歩きたい」 掠れた声で 涙と出た、言葉 「もう少し、歩こうか」 止まってしまっている未来へと 駆けていく足音が聞こえた .
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