明か沙汰《あかさた》!

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昔々(むかしむかし)日本国(にほんこく)武家(ぶけ)(あいだ)に、 御挨拶創作(ごあいさつそうさく)流行(りゅうこう)していた。 上様(うえさま)から金一封(きんいっぷう)()るのと、 名誉(めいよ)という学業家(がくぎょうか)としての御認(おみと)めが()り、 次第(しだい)によっては御取立(おとりた)てに(あずか)れるという(こと)だからだ。 そうして武家(ぶけ)(みな)()(つづ)けた(ため)に、 受付(うけつけ)御奉行様(おぶぎょうさま)(もと)には、手紙(てがみ)御挨拶(ごあいさつ)を始め、色々(いろいろ)御挨拶(ごあいさつ)が、大層(たいそう)てんこ()りになって()まっていた。 そこに、覚知(かくち)(ひと)()た。 その(ひと)御挨拶(ごあいさつ)はそれぞれが(みじか)いから、 自分(じぶん)(あたま)(おぼ)えには()いと(おも)い… 頑張(がんば)っててんこ()りの御挨拶(ごあいさつ)を、 天丼(てんどん)()べるように全部(ぜんぶ)(たい)らげてみせた。
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