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第一章・縁談、そして家出!?
「ちょっと、父様!!
それは一体どういうことなんですの!?」
春の暖かい日差しの降り注ぐ午後。
トリコルド王国、フェルエリ家の現当主ラルフの執務室に、甲高い少女の声が響き渡った。
年は、十六もしくは十七くらいだろうか。
艶やかに流れる栗色の髪、その下で輝くエメラルドグリーンの猫目。
その美貌は、まさに今を盛りと咲き誇る花のようである。
そんな彼女の名は、アナスタシア・フェルエリ。
この地方一体を治める地方伯、フェルエリ家の長女である。
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