第一章・縁談、そして家出!?

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「し、しかしだな、アナスタシア…… これはお前が生まれた時からずっと決まっていたことで……」 「余計な言い訳は聞きたくありません。 私が聞きたいのは、本人である私に何の話もなく縁談が決まった理由についてですわ!」 父親の言葉に耳も貸さず、彼女が怒っている理由はつまり、こうだ。 フェルエリ家はトリコルドの隣国、アルモルド王国の王家と代々深い繋がりがある。 それを続けるために20年に一度、フェルエリ家の娘をアルモルドの王家へ輿入れするということが両家の間では暗黙の了解になっている。
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