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わたしは彼に寄りそってもたれかかりながら
「今日はどこまで行こうか?」
内緒話をするみたいに小さな声で言った。
彼はわたしのつむじの辺りを見下ろしながら
「どこでも好きなところに・・・」
と言い、マグカップをテーブルに戻した。
彼はいつもそう。
わたしの好きなようにさせてくれる。
それでいて、何も言わないで、そばにいる。彼自身が楽しんでいるのかそうでないのかも、よくわからない。
かといって関心がないわけでもない。
無口で寡黙だけど、結して怖くはなくて。
ぼーっとしてるけど、いざというときには頼りになって。
滅多に笑わないけど、とてもやさしい人。
彼のことはよくわかってる。
でも今日は思いっきり甘えたくなった。
きっと彼は戸惑うと思うけど・・・。
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