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ペインは自分の中に混沌としたものが蠢くのを感じた。
悠は鳥肌が立った。
な、んだ?
ジアハートが飛んできた。
その攻撃をペインは鎌で受け流す。
金属音が幾度となく静寂をこだまする。
しばらくはどちらも掠り傷ばかりであったが、ジアハートが勝負を仕掛けてきた。
「天下無双飯網舞い!!」
ペインの体が宙に浮かび何度も斬り付けられた。
「うっ!」
苦悶に顔を歪めると思われたペインの顔は不思議にも笑っていた。
リアルの全身には切り裂く痛みが走っている。
しかし、悠は笑みを浮かべてしまう。
狂喜がとまらない。
な、ぜ?
気付ば悠の手にコントローラーはなく、M2Dをかけている感覚もない。
自分が「TheWorld」に居る!?
まさか……
信じられないが、コントローラーの代わりに鎌の重さが手にある。
やってしまった……
予感が確信に変わった。
怪我だけなら、まだ半信半疑だったが、とうとう「TheWorld」の中まできてしまった。
ペイン否悠は、地面に体が落ちる前に体勢を立て直した。
「銀狼ぉぉ!しっかりしてよぉぉぉぉ!!!」
仕留めたつもりのジアハートが大きく悠に切り掛かってきた。
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