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「おい悠~、そんな事すっから和人が甘えるんだよ~」
修が眉をひそめ不満をもらした。
「無闇に人を殴るもんじゃないよ…」
悠が呟くと意外な場所から声があがった。
4人組の最後の1人黒の無造作ヘアの少年、森川 雪(もりかわ ゆき)からだった。
「貴方みたいな人からそんな台詞が聞ける日がくるんですね」
「あ゛ぁ?」
悠が氷の殺気で辺りを包んだ。
それは身の毛がよだつ程強かった。
しかし、雪はシレッとした顔で続けた。
「だってそぅでしょう?缶ビール飲んで見ず知らずの男達に平気で犯されてるような人ですよ?」
確かに一理あるどころか二理も三理もある意見だ。
「犯した奴が良く言うもんだな」
悠が冷笑を浮かべた。
しかし、表情とは裏腹に頭には相当血が昇っている。
「はぁーい!!雪も悠さんもストーップ!!」
修が2人の間にサクッと割り込んできた。
「そんな争いごとしたら和人が悲しむでしょ~!」
そう言われ和人に目を向けると確かに眉を下げた哀しげな少年がいた。
「修は和人に甘いんだよ!」
雪が修に食い付いた。
「いや!今の俺は悠ちゃんに甘い!!」
修は胸を張って言ったが呆れて何も言えなかった。
「……俺に?」
「女の子なのに“俺”なんて言っちゃ駄目!!」
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