発芽

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「ぁあ、うん。」 悠は修を適当に受け流した。 殺意はサッパリなくなっている。 「フェミニスト」 眠い目を擦りながら赤髪の少年、春乃 巧(はるの たくみ)が、ぼそりと呟いた。 「春、起きたか?」 雪が巧に問い掛けた。 「みればわかるだろ?寝言を言う質じゃねぇよ」 そう言うと巧は悠に近づいてきた。 「な、んだよ?」 問い掛けも気にせず巧は悠の足のうえに座った。 「あのさ、まだ裸でいんの?また犯して欲しいわけ?」 言なり悠の鎖骨をなぞる様に舐めた。 「っ!!」 悠は身を捩って巧の体を押した。 「変態だなぁ~」 しかし、少年は倒れもせず意地の悪い目でそんな悠を見た。 「るせー!」 腕で体を隠すようにするが何の意味を持たなかった。 「はい」 和人と修が揃って悠に服を返してくれた。 「ありがと」 悠は受け取るなりすぐに身に付けた。 すると巧が邪魔をしてきた。 Yシャツの裾を引っ張っている。 「着れないじゃん」 「だって、邪魔してるから☆」 そう言ってグィと裾を引いた。 無論悠の手からYシャツは離れていった。 「春、返さないの?」 雪が呆れた声で尋ねた。 巧が人の邪魔をするのは日常茶飯事らしい。 「雪なら聞かなくてもわかるでしょ?」
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