発芽

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「和人お手柄じゃんか~ずるぅい!」 「ずるいとかの問題じゃないだろ?」 巧の叫びを和人は笑いながら指摘した。 悠はまだ和人の腕のなかである。 「ぁの、和人サン…もぅ下ろしてくれる?」 頬をわずかに赤らめ悠はオズと申し出た。 「恥ずかしいの?」 和人は楽しげに悠の顔を覗き込んだ。 さらに悠の顔は赤くなった。 「はやく下ろせぇっ!!」 悠は腕の中で叫び暴れた。 拳と肘が和人に無数とはいる。 無論、猛烈に痛い。 右フックが和人の顎にクリーンヒットした。 ぐらりと体が揺れる。 腕から少女の体が零れ落ちた。 しかし、同じ事は2度ない。 少女は猫のようにやわらかい肢体を捻った。 音もなく床に膝と手をついた。 「グッジョブ俺」 ニヤリと冷笑がうかんだ。
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