種子

5/17
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「しかし、またエグイワードだな…(汗)」 ペインは傍らのユミに苦笑いをしてみせた。 するとユミはペインに満面の笑みをみせた。 「中世みたいで良いっしょww」 二人の間を夜風が吹き抜け髪が流れ揺らいだ。 しかし、安息の一時はけたたましい笑い声により壊された。 一斉に振り向いた先には赤髪のショートヘアの女をはじめ複数のPCがズラリと並んでいた。 軽く見積もって10人は居るだろう。 そして、餓えた瞳でこちらをみている。 そして、彼女等を世間はPK(プレイヤーキラー)と呼ぶ。 赤髪の女、名前を《ボルドー》と言う。 この「The World」では中々名の知れたPKだ。 「ねぇちゃん達構ってくれよ~」 ボルドーの腰巾着(ネギ丸)と言う名の双剣士が下劣な笑みを浮かべながら獲物を構えた。 「……」 各々獲物を構えだしたPK達を尻目に少女達は未だに月を見上げていた。 それを見たボルドーは剣をペインの首筋にヒタと当てた。 「ww」 ユミの唇の両端が吊り上がった。 「…………」 「…………」 ペインとユミは動かぬままだ。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!