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「そろそろ、ご飯だ♪んじゃ、また明日の朝10時にマク・アヌでねノシ」
そう言って立ち上がったユミは素早くゲームアウトした。
ペインはそれを見届けた後しばらく黙ってフィールドに座り込んだままだった。
PKもPKKもあたしにとっちゃ大差ない……
ただ、ユミはあたしとは違い正義をもっている。
本当に強くて愛しい。
だから、一緒に居るとつい離れたくなる……
ペインは混沌とした気持ちに苦しみを覚えた。
それは、微かに芽生えた小さなアイだった。
「あたしも、あがるかな~」
フィールドにそう言い残してペインは「TheWorld」をあとにした。
M2Dを外したその顔は疲労が濃く表れていた。
それは肉体的なものではなく精神的なものだとみえる。
「水……」
細くはないが病的なまでに白い腕が水道水が3分の2程入ったベットボトルへと伸びていった。
悠はそれを溢しながら飲み干した。
水が悠の喉を伝い、胸を伝い、腹を伝い、股を伝いベットを湿らせた。
しかし悠は気にする素振りもなくそのまま横たわった。
「胃が痛い……」
悠は腹部をおさえ呟くだけであった。
それから幾度となく微睡みに引き込まれたが半刻ほどするとゆっくり肉体を起こした。
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